西興部村猟区管理協会

第15回(2010年12月)

2010年12月3日~5日、第15回西興部村猟区新人ハンターセミナーを開催し、酪農学園大学の伊吾田宏正氏、森林総合研究所北海道支所の松浦友紀子氏を特別講師として迎え、7名の参加がありました。そのうちハンターとしての参加は3名でした。本年度セミナーでは狩猟技術を総合的に学べる2泊3日のコースを、<基礎編>と<応用編>それぞれ1回ずつ開催します。前者は非積雪期の、後者は積雪期のエゾシカ猟実習を含みます。<基礎編>ではエゾシカ流し猟・基本的な解体・射撃練習の安全確認の解説(射撃場での講義ではありません)、室内講義では流し猟の概要・狩猟技術・シカの生物学やシカ肉の特徴について学びました。

セミナーの様子

 初日は午後2時半集合の後、オリエンテーションを行い、当協会伊吾田順平による「流し猟の概要」について、続いて特別講師の伊吾田宏正氏による「狩猟学」の講義では銃と弾の準備、サイト(スコープ)の調整、射撃場での練習方法、弾道学、獲物の発見まで、発砲の原則、着弾位置の説明、命中後の痕跡、追跡・回収方法、内臓摘出、剥皮、大バラシ、保存、調理法、模擬銃を用いた銃の正しい取り扱いについて、流し猟のシミュレーションなどについて学びました。最後に松浦友紀子氏から「シカの生物学」としてシカの分類・形態・生活史・個体群動態を学びました。
    • 流し猟のシュミレーション
    • 模擬銃を使った解説

      模擬銃を使った解説

 2日目は午前6時半に集合して、3名のハンターと一般参加者4名が3台のガイド車に分乗して出猟しましたがシカは獲れませんでした。続いて、鹿牧場公園でシカの生態や狙点、距離の目測について、「解体実習」では剥皮から大バラシ、ブロック分け、筋引き、抜骨について学びました。午後からは「料理実習」を行い、夜の懇親会で試食する、シカ焼肉、クリームシチュー、シカカツレツの仕込を行いました。その後、午後2時半から出猟し、新人ハンターの一人が初めての出猟で成獣オスの捕獲に成功しました。夜は懇親会を行い、料理実習で仕込みをした料理のほかに、シカ肉のローストを試食して自然の恵みに感謝しました。
    • 距離の目測

      距離の目測

    • 解体実習

      解体実習

    • 抜骨の様子

      抜骨の様子

    • 調理実習の様子

      調理実習の様子

    • 懇親会風景

      懇親会風景

    • 小池食堂店主によるシカカツ

      小池食堂店主によるシカカツ

3日目も早朝から出猟して、1歳のオスジカの捕獲に成功しました。朝食の後、室内講義を行い松浦友紀子氏から「シカ肉の特徴」の講義がありました。その後意見交換会とアンケート調査に協力していただいて、セミナーを終了しました。

 今回の参加者の方の一人に奥さんと子どもさん(4歳)を連れてきているお客さんがいました。お子さんはホテルに隣接している木の遊具を題材にしたテーマパークである「木夢」で遊び、二人とも懇親会に出席してシカ肉料理を堪能していました。その他にも鹿牧場公園があり、季節によっては山菜採り、魚釣り(街中心部にあるホテル「森夢」の裏には清流興部川が流れ、ヤマベが泳いでいます)キノコ採りなど、豊かな自然や各種テーマパークで「各種レクリエーション」を体験することができます。