第5回(2005年11月)
今回は座学・捕獲・解体・料理・公開シンポジウムと総合的な狩猟学のカリキュラムとなりました。参加者も東京農工大学野生動物保護学講座や21世紀の狩猟を考える連絡会議など多彩な方々の参加で盛況でした。
第5回新人ハンターセミナー
実猟実習
鹿牧場公園でのエゾシカの生態についてのレクチャー
室内講義「鹿猟学」
狩猟技術についての室内講義
再度シカの捕獲にチャレンジ
2日目は、日出時間から再度シカの捕獲にチャレンジしましたが、残念ながら今回シカは獲れませんでした。その後、午前中は予備に確保されていた獲物を使って、解体実習を行い、剥皮・分割を体験しました。
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冷蔵保存されていた解体実習用のシカ
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モモのはずし方を学ぶ
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シカは歯の配列で0・1・2・3歳以上を区別できます
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料理実習
午後は、料理実習で、ブロック分け・抜骨・筋引きを学んだ後、鹿汁・ロースト・シチュー・シューパウロを作って、夜の懇親会で試食しました。
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狩猟歴40年の会長は背中で”抜骨”を語る
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ダッチオーブンによるロースト・ディア
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公開ミニシンポジウム「野生動物とつきあうための狩猟—各地の狩猟管理の現状と課題」
最終日は、9-12時に公開ミニシンポジウム「野生動物とつきあうための狩猟—各地の狩猟管理の現状と課題」を開催しました。フランス国立狩猟研究所のエリック・ボベ博士による「フランスの狩猟管理の現状と課題について」では、地元狩猟クラブなどが運営する当地の狩猟システムについて紹介があり、また狩猟の動機が家族の結びつきなど社会的意味を持っている一方で、フランスでも狩猟者数の減少が問題となっていることが報告されました。東京農工大学の神埼伸夫助教授による「東ヨーロッパの狩猟、日本の狩猟」では、東西の経済格差を利用した国家的ビジネスとしてのポーランドの狩猟管理について紹介され、レクリエーションとしての狩猟の価値が強調されました。兵庫県農林水産部の上田剛平氏からは「島根県のイノシシ被害対策が狩猟に与えた影響」として、狩猟規制緩和によるワナ猟師の増加の結果、従来のハンターとの二極化が起きていることが報告されました。北海道大学獣医学部の鈴木正嗣助教授からは、「北海道のエゾシカ管理の現状と課題」として、エゾシカ管理における狩猟者の役割の重要性が指摘され、捕獲技術の質の向上と専門家の協力が不可欠であることが提案されました。最後に、協会研究員から「西興部村猟区におけるエゾシカ地域管理の取り組み」として、地域資源としてのシカ管理と狩猟者教育の実践事例が報告されました。
この模様はハングリーハンターさんのサイトでも紹介されています。
この模様はハングリーハンターさんのサイトでも紹介されています。