酪農学園大学(2015年8月)
「酪農学園大学野生動物保全技術実習(西興部・夏編)」実施報告
実習初日は、西興部村猟区管理協会の取り組みの講義・オリエンテーションを猟区事務所にて行った後、自動撮影装置を用いて野生動物の姿を撮影するカメラトラップ調査やカスミ網を用いたコウモリの捕獲調査、ライトセンサス調査を行いました。バットディテクターを用いてコウモリの出す超音波パルスを確認しつつ、カスミ網を張って待機しましたが残念ながら、今回の4グループともコウモリを捕獲することは出来ませんでした。Dグループは、荒天の為カスミ網を開くことが出来ませんでした。カメラトラップ調査では、センサーで自動撮影するトレイルカメラ(D55-IR)を用いて撮影したい動物が通りそうな場所へ設置した結果、Cグループのカメラにシカ、キツネ、ネコが映っていました。
2日目には、酪農学園大学を卒業し西興部村で放牧農場を行っている萩原牧場の見学やシカ牧場の見学、ヒグマを捕獲するための箱罠とデントコーン畑の電気柵を観察しました。萩原牧場では、ホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスの3種の牛が広大な牧草地で草を食む姿を見学し、牛の品種による牛乳の成分の違いや良い牧草地の在り方などについて話を聞きました。鹿牧場では、鹿の子模様の様子や袋角のオスジカを観察することが出来ました。また、袋角に触れてその暖かさを体験しました。ヒグマの食害地調査では、時期が早くデントコーン畑はまだ食害を確認できませんでしたが、畑の前にヒグマの足跡を見ることができました。ヒグマの生態や電気柵の利用について詳しく話がありました。ヒグマを畑に入らせないようにするには、地上から20cm間隔で4段ロープを張り、さらに手前にもう1本20㎝の高さに張ると有効ですが、草刈りや設置の労力を考えるとそこまで対策を行う方は少ないそうです。
午後は、ネズミの生息密度を調査するためにパンチュウトラップとシャーマントラップの設置、興部川での淡水魚調査を行いました。ネズミの調査では、アカネズミとヒメネズミを捕獲し、種の同定と計測を行いました。淡水魚調査では、浅瀬で釣りや投網、電気ショック、タモ網を使った捕獲を行い、ヤツメウナギやヤマメ、ニジマス、ドジョウなどを捕獲、同定しました。
最終日には、仕掛けたトラッップの回収とネズミの同定作業を行い、実習を終了しました。
最終日には、仕掛けたトラッップの回収とネズミの同定作業を行い、実習を終了しました。
お問い合せ先
特定非営利活動法人 西興部村猟区管理協会
- 住所:〒098-1501 北海道紋別郡西興部村字西興部485
- 電話:0158-87-2180
- ファックス:0158-87-2180