酪農学園大学(2014年8月)
「酪農学園大学野生動物保全技術実習(西興部・夏編)」実施報告
実習初日は、西興部村猟区管理協会の取り組みの講義・オリエンテーションを猟区事務所にて行った後、自動撮影装置を用いて野生動物の姿を撮影するカメラトラップ調査やカスミ網を用いたコウモリの捕獲調査、ライトセンサス調査を行いました。残念ながら、3グループともコウモリを捕獲することは出来ませんでした。カメラトラップ調査では、赤外線センサーを搭載したフィルム式の自動撮影装置で写真を撮影する「YoyShot G3」やデジタル式の「Ltl Acorn 5210A」を用いて撮影したい動物が通りそうな場所へ設置しましたが、その場ですぐに確認できるデジタル式カメラには何も映っておらず、フィルム式カメラは、写真を現像してみないとわからないという結果でした。
2日目には、酪農学園大学を卒業し西興部村で放牧農場を行っている萩原牧場の見学やシカ牧場の見学、ヒグマによる食害地の観察を行いました。萩原牧場では、ホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスの3種の牛が広大な牧草地で草を食む姿を見学し、シカによる被害などについて話を聞きました。鹿牧場では、夏毛から冬毛へ生え変わる様子や袋角のオスジカを観察することが出来ました。ヒグマの食害地の観察では、ヒグマの生態や電気柵の利用について詳しく話がありました。ヒグマを畑に入らせないようにするには、地上から20cm間隔で4段ロープを張り、さらに手前にもう1本20㎝の高さに張ると有効ですが、草刈りや設置の労力を考えるとそこまで対策を行う方は少ないそうです。
午後は、ネズミの生息密度を調査するためにパンチュウトラップやシャーマントラップの設置と興部川での淡水魚調査を行いました。ネズミの調査では、アカネズミとヒメネズミ、ヤチネズミを捕獲し、種の同定と計測を行いました。淡水魚調査では、河川の増水と濁りがありましたが、浅瀬で釣りや投網を行い、ヤツメウナギやヤマメ、ニジマスなどを捕獲、同定しました。
最終日には、仕掛けたトラッップの回収とネズミの同定作業を行い、実習を終了しました。
最終日には、仕掛けたトラッップの回収とネズミの同定作業を行い、実習を終了しました。